うみやまさんぽ4冬至キャンプレポート

撮影:海子揮一
撮影:海子揮一

去る12月21日〜22日に女川ネイチャーガイド協会とのコラボ企画「うみやまさんぽ4冬至キャンプ」が行われました。


出島にある配石遺構は山と関係するカレンダーかもしれないという仮説を元に、女川町の最高峰である石投山(いしなげさん)の頂上で一夜を明かすというもので、昨年に引き続いて2年目の開催となりました。今年は月の新月と重なり、太陽と月の運行が同じ日に陽に転じる19年に一度のめでたい「朔旦冬至(さくたんとうじ)」という日でした。


当日は穏やかな晴天に恵まれ、町内外から集まった7名の参加者は清水地区山の神から登山を開始。協会理事の藤中さんをリーダーに2時間余りを掛けて石投山に登頂。昨年に比べて雪が無かったためか、思いのほかスムーズに登れました。

太陽が沈む前にティピー型テントを設営。みるみる気温は低下していきます。柴をあつめテントの中で焚き火を灯し始めた頃に日は暮れて、一年でもっとも長い夜の始まりです。普段の暮らしと違うゆっくりとした時間が流れます。この夜の気温は氷点下6度。明るさと暖かさを保つために炎を絶やさないよう枝を焼べ続けました。火が勢いを取り戻す度に囲む顔に思わず笑みがほころびます。

厳しい冷え込みに耐えて夜を明かし、今回も無事に出島の沖から昇る冬至の日の出を迎えることができました。女川沖のまっすぐな水平線から昇った太陽が、海や山や木々や街などあらゆるものを照らし始めました。太陽の恵が心身に沁みます。

出島遺跡を作った縄文の人々の真意は誰も確かめられませんか、人間側の活動を太陽の運行に合わせ、隣り合う人と火を囲み食を共にし、直に自然に向き合う時間は、太古から受け継いでいる力や感性を揺り起こすような体験でした。
今回が初トレッキングとなった参加者は「ひと回り生きることがたくましくなった」と語りました。

満天の星空が輝き、鹿の気配に満ちる森の深さ、太古と変わらずに巡る太陽や月が照らす海や山の風景はまるでタイムカプセル。
復興の槌音が響き、街の風景が刻々と変貌していく今、その普遍的な価値と魅力は増々浮かび上がっているかもしれません。

さて今回の対話工房の活動レポートが今年最後となります。
今年もたくさんの出会いと、多くの方々からご協力いただきました。誠にありがとうございます。
「一陽来復」
来年もどうか良い年をお迎えください。

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2012年9月号「迎え火特集」