【活動報告】トークセッションin別府 「対話の場」レポート

別府市内鉄輪にて
別府市内鉄輪にて

 ご報告遅くなりましたが、昨年11月に大分県別府市で開かれたトークセッションの様子をお伝えします。BEPPU PROJECT事務局のみなさまをはじめ、ご参加して頂いた別府のみなさまに心より感謝申し上げます。

 昨年11月28日、大分県別府市にてトークセッション「対話工房の『対話の場』東北沿岸・女川町から~3年目の報告〜」が開かれました。このプログラムはベップ・アートマンス2014の一環の企画ですが、2012年に続いて2回目の参加となりました。

 

 当日は市内のギャラリースペースP3/BEP.labを会場に、対話工房から地元別府市出身の草本利枝を中心に、女川町から岡裕彦、代表の海子揮一が宮城県から訪れ、市内からは地域の芸術文化活動の担い手を応援している安部純子さん(別府市市役所)、日名子英明さん(ベップオンガク)そして藤田洋三さん(写真家)が参加しました。会場には市内外より40人近くご来場頂き、真剣に耳を傾けようという熱気に包まれました。


 はじめに岡と海子から、女川町の成り立ちから震災を経た現在の様子、そしてこれまでの対話工房の活動を紹介。休憩時間に女川から直送したさんまのすり身で作ったつみれ汁をご堪能頂きました。

迎え火プロジェクトを記録した「ONAGAWA CAMP」(泉山朗土/対話工房)の映像展示
迎え火プロジェクトを記録した「ONAGAWA CAMP」(泉山朗土/対話工房)の映像展示

 トークセッションでは普段の緊密なおつき合いがいかに大事か、という話が中心になりました。


 おせっかいを焼くことで生まれる街の豊かさ、お年寄りの記憶や歴史を知ることが防災に活きてくること、など別府の今の暮らしに照らし合わせて様々なエピソードや課題が語られました。

 

「温泉がコミュニケーションの場。でも今は家の風呂が増えてきて寂しくなっている。温泉それぞれに顔があって良かった。」(安部さん)

 

「風呂に入ればみんな平等。温泉デモクラシーというのが別府にはある。風呂さえあれば対話ができる。」(藤田さん)

 

「鈴之助を見ていても、平等に分け合うという考えが女川という港町にあることを感じる」(草本)

 

「お祭りを作って人が集まる場をつくるのが大事、とお話に同感。単発のイベントに充足するだけではだめ。土地の歴史を学んだり、お年寄りに声を掛けたり、日々の積み重ねが大事」(日名子さん)

「おちゃっこクラブというのはさ、今の政治や経済が壊してきた参加型社会なんだよね。世代を越えて情報もスキルも集まってくる理想的な社会。」(藤田さん)

 

「街が消えると記憶も消える。なくなって痛感している。大切にしないと。」(岡)

交流会にて ©Kiich Kaiko
交流会にて ©Kiich Kaiko

 トークの後の交流会では、別府の方々が美味しい食べ物を持ち寄って頂き、楽しく舌鼓を打ちながらいろいろな話が行き交いました。

「今回はなんといっても『おちゃっこ』がキーワードだったね。『おちゃっこすっぺし!』を別府でも流行らせよう!」(藤田さん)

を合い言葉に和やかに閉会となりました。

 

 今回、トーク当日前後に別府市内のいろいろな場所を視察で訪れましたが、どの方にも寛大に迎えていただきました。

とても遠い東北と九州ですが、直に会って話を交わす貴重な機会と時間を分かち合うことができました。今後も緩やかに様々な地域の方々と同じ様な場を共有していければと思います。

 

 皆様ありがとうございました。

[開催情報]

日時:2014年11月28日19:00 - 21:00

会場:P3/BEP.lab(大分県別府市北浜)

概要:映像写真展示に加え、今もその仮設住宅で暮らしながらコミュニティカフェやキッチンカーで住民の対話の場を保ち続けている岡裕彦さんに女川町の「いま」について伺いながら、別府で対話の場を設けます。

主催:一般社団法人対話工房

協力:NPO法人BEPPU PROJECT

 

外部リンク:ベップ・アートマンス2014

 

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